研究概要 |
11年度前半:調査とステップ関数係数線形系の研究 まず、Plum,Nakao,Oishiらの従来法や関連研究の現状を徹底的に調査し、その問題点をより明らかにした。 具体的には、従来法のアルゴリズム中の効率性・簡便性に関する問題点を検討した。さらに、従来法のシステムを実施に構築し、その効率性・簡便性を評価した。 次に、洗い出された問題点を鑑み、本研究の核となる、ステップ関数係数線形系の解を精度保証付きで求めるアルゴリズムを試作した。 11年度後半:ステップ関数係数線形系アルゴリズムの評価と1次元境界値問題の研究 11年度後半は、前半に試作したアルゴリズムの性能を理論的手法と実際の数値実験によって検証した。具体的には、 定義域の分割数に対する計算の手間を理論的に評価し、実際にシステムを構築して様々な問題に対する計算時間を計測した。これらの評価から効率性を改善するための問題点を明らかにした。 次に、この方法に基づいて1次元楕円型境界値問題を含む常微分方程式の多点境界値問題の解の数値的存在検証アルゴリズムを構築し、理論的性能評価として、構築した方法が、十分良い近似解に対して、必ず解の存在検証に成功することを証明した。 これらの結果を広く世に知らしめ、さらなる改良を目的とする議論のために、工学的な立場から(社)電子情報通信学会非線形とその応用国際シンポジウム(NOLTA:1999年12月にハワイにて)に出席し、活発な議論を行なった。
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