研究概要 |
本研究では、特定のタスクを対象とした小規模なタグ付き対話コーパスと、汎用的言語資源や抽象的タスクモデルを組み合わせて、音声対話システムの構築に必要な語彙知識・構文知識・意味知識・対話規則を、学習によって獲得する手法の開発を目的とし、本年度は以下の成果を得た。 1.学習データの整備 地図課題,クロスワードパズル,会議の予約,地理案内,テレフォンショッピング,会議室スケジューリング,写真を題材にした議論などの課題遂行タイプの音声対話14対話(52分40秒)に対して,転記をおこない、韻律,形態素,基本単位(スラッシュ単位),談話行為,談話セグメントの情報を付与した 2.学習による意味解析規則の獲得 変形に基づく学習(Transformation-Based Learning)を用いて、発語内行為および意味表現の枠組を決定する規則を学習するプログラムを作成した。また、意味表現の個々の要素を抽出するプログラムに関しては、タスク依存性が少ないと判断したため、ハンドコーディングを行った。これらのプログラムの性能は、学習に用いたデータによる評価で正解率61.1%、学習に用いなかったデータによる評価で40.6%が得られた。
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