研究概要 |
本年度は,先行研究として提案したクラスタリングのための区間特徴分類法と,クラス選択棄却法に基づいた意思決定支援モデルの理論的構築を行った。 具体的には,第1段階として,独立に提案された上記2つの方法を,一つのモデルとして結合するために,事後基本確率の持たせ方と,それに基づいたクラス選択棄却法を定式化した。第2段階として,意思決定支援のためのデータ入力を区間として与える基本的な方法を考案した。「だいたい」とか「ほとんど」といった曖昧な量を示す言語は,提案手法の区間特徴量を有効に活用できる。ただし,自然言語を区間表現に置き換える規範に関しては,次年度以降のデータを増やした検証実験によって,より信頼性の高いものにしていく必要がある。第3段階として,意思決定のためのクラスタリングに用いる事前基本確率の構築法を定めた。これは,学習データの単純平均法と加重平均法の2つを考案したので,次年度以降の検証実験で考察する必要がある。また,本研究の遂行中に派生した理論を実際のパターン認識問題に適用し,学会にて論文発表を行った。 なお,研究計画においては,構築したモデルの検証実験を行うための環境を本年度中に整える計画を立てていたが,設備の購入段階にとどまり,実際の環境設定・構築は次年度に繰り越しとなっている。
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