研究概要 |
四辺形要素による有限要素法(FEM)の自動メッシュ生成を行うために,三角形要素による自動メッシュ生成を行う知識を有したエージェントに以下の3つの知識を追加し,三角形要素でのメッシュを生成後,四辺形要素による再構成を試みた. (1)2つの三角形エージェントを合体させ,4つの四辺形エージェントに分離する. (2)(1)で合体できない単独の三角形エージェントは,3つの四辺形エージェントに分離する. (3)四辺形エージェントの形状を良くする(正方形に近づける)ために形状修正を行う. その結果,形状が複雑で比較的要素分割数が多い問題を対象とした場合でも,正方形に近い四辺形要素でメッシュが生成されることを確認した.しかし,エージェントが有する知識がかなり煩雑になってきたことと,そもそも本手法によるメッシュ生成は,解析対象物の形状を基準として,その内部を三角形要素形状になるように切りきざんでいくため,四面体のような三次元要素を構成させるプログラミングは大変な工数であると予想されようになった.そこで,これまでのメッシュ生成手法とは逆に,1つの細胞が遺伝子(ホメオボックス遺伝子)からの情報を受けて分裂し,生命体を構成していくように,解析対象物の形状情報を有した1つのエージェントが,自己分裂・増殖を繰り返しながら解析対象物を構成し,四辺形要素によるメッシュを生成する手法について試みた.その結果,複雑な境界を持つ解析対象物内を埋め尽くすようにメッシュが生成された.ただし,現段階では,正方形によるメッシュ生成までに止まっており、解析対象物の形状によっては,境界に沿わない要素が生成されるが,今後,エージェントの自己変形機能等を組み込むことで改善をはかり,三次元問題におけるメッシュ生成を行う.
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