研究概要 |
11年度は、自己組織型ビデオ会議支援環境の,エージェント指向コンピューティングの概念に基づく概念設計を行った.設計に先立ち,まず以下の準備作業を行った. 1.対象とするビデオ会議システムの上級利用者の協力を得て,システム運用時に必要な様々な知識の獲得を行い,エージェントに埋め込む知識の準備を行った.具体的には,複数のQoS調整戦略に関する静的な知識,および運用時にそれらを切り替えて最適な戦略を選択するための知識などを獲得し,エージェントの知識処理部に記述・格納するための準備を行った. 2.対象とするビデオ会議システムを,インターネットを仮想的に実現した実験環境上で動作させ,様々な状況下でのシステムの挙動を観察し,その特徴を把握した. 次に,準備作業の結果をもとに,エージェント指向コンピューティングに基づいた自己組織型ビデオ会議支援環境の機能設計を行った.設計された機能とそれらを実現するためのエージェントは以下のとおりである. 1.利用者要求の変化を獲得,理解する機能(主に利用者エージェントにより実現される) 2.計算機資源の変化を獲得,理解する機能(主に計算機資源監視エージェントにより実現される) 3.ネットワーク資源の変化を獲得,理解する機能(主にネットワーク資源監視エージェントにより実現される) 4.各変化間の関係(包含関係,競合関係,依存関係等)を認識する機能(主に競合発見エージェントにより実現される) 5.上記の変化に対し,システムパラメータを自律的に変化させる機能(主にビデオ会議管理エージェントにより実現される) 6.現在のシステム構成で対応が可能か否かを判断する機能(主にビデオ会議管理エージェントにより実現される)
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