研究概要 |
コンピュータグラフィックスにおける頭髪表現は,髪の一本一本を円柱やライン等のポリゴンデータとして定義する方法と,頭髪を表すテクスチャをモデルに張り付ける方法とに大別される.このうち後者の方法では,頭髪の写真を用いるか,人手でペイントしたテクスチャを用いる.この場合,頭部モデルヘ張り付ける際にUVデータを生成する必要があるが,これは通常困難な作業である.本研究では流れ場の可視化手法であるLIC法の出力画像が絵画における頭髪表現に酷似していることを背景とし,ソリッドテクスチャリングによる頭髪テクスチャ生成を行なう手法を開発する.平成11年度は,髪の方向を示すベクトルをもとに,頭髪テクスチャを直接3次元頭部(あるいは髪型)モデル上に自動生成するアルゴリズムを提案・実装した.ベクトルはモデルの主要な頂点のみに定義すればよく,UVデータおよび頭髪テクスチャのラスタデータを必要とせず,少ないデータ量で頭髪画像が生成できるため,ネットワーク上での利用などにも適している.平成12年度は髪の流れを表すベクトルを対話的に指定できる操作環境を実現する予定である.
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