これまでにローカルエリアネットワーク(LAN)を対象として研究、開発されていた高信頼ネットワーク構築技術に対して、広域ネットワークにおいてこれらを実現するための基礎的研究を行なった。ここでは、移動端末の特性(ネットワーク上の位置の時間変化、ディスクや電源の不十分性)を考慮した新しいチェックポイント手法を提案し、その実現プロトコルの構成を行なった。 現在の広域ネットワークは、性能の異なる様々なコンピュータが、速度、帯域の異なるネットワークに接続されており、またネットワークに固定的に接続された端末と移動端末とが混在する複雑なネットワークである。特に、移動端末については、ディスク等の資源を十分に持たない端末、資源をある程度持っている端末、ネットワークとの接続が安定している端末、不安定な無線通信によりネットワークに接続されている端末などがあり、我々がこれまでに提案している手法を一律に適用することはできない。そこで、移動端末をその性質から分類し、それらが混在するときにより小さなオーバヘッドで再実行を可能とするチェックポイント・リスタート手法について検討を行なった。
|