本年度は、既に提出済みの研究計画に基づき、1.音響合成モデルの研究とプラットホームヘの実装、及び、2.サーバ・クライアントモデルの構築とユーザーインターフェースの開発、を行った。 まず、プラットホームヘの実装とユーザーインターフェース開発について、Pd(Pure Data)のシステムをベースとして用い、Pdのpatch及びexternal objectとしてモデルを実装し、実験・配布を行うこととした。現在、システムに使用する音響合成モデルの調査・検討がほぼ完了し、Pdへの実装を進めている。ユーザーインターフェースはPdのGUI環境を利用することとし、本システムに特有の操作体系について統一的な枠組みを作成していく。現在、実験段階の操作画面がいくつか作成されており、現状では相互に不統一が見られるため2年次の研究において統一された枠組みを構築する予定である。 サーバ・クライアントモデルについてはPdを用いることからnetsend/netreceiveによるデータ送受をベースとし、本研究のシステムに必要となるメッセージタイプの定義と実装を行っているところである。基礎的なパラメータ送受については問題のないことを確認しており、2年次の研究では必要十分なパラメータ定義を絞り込む作業を行う。 また、本学におけるコンピュータ音楽関連講義の時間内に、学生を対象として試作システムの運用テストを行った。その結果、ユーザーインターフェース及びシステムの運用に関して十分な実用性が得られるという予想を得るに至っている。
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