研究概要 |
プラズマの電気的非中性化に伴う強い自己電場をプラズマ中の高速回転流の発生に応用するというアイデアを実験的に検証するために,電子プラズマ中に中性プラズマを入射する実験を計画しており,本研究では,その実験に用いるための新型プラズマ源の開発を進めている。このプラズマ源は,同軸ガンに電子銃を内包する構造をしており,電気的非中性プラズマ生成のための新しいツールとして開発中である。平成12年度においては,そのプラズマ源の設計を行い,本体部分の製作を終了した。また,このガンの電子銃の部分については,既に初期作動実験を行い,最大10mAの電子電流の射出を達成するとともに,この電子銃を用いて生成した純電子プラズマを直線型装置内に閉じ込めた。この電子プラズマの閉じ込め時間は最大1secであり,中性プラズマの入射を行うに可能な時間となっている。密度については,現在,直接測定の準備中であるが,電子プラズマの有する空間電位からの計算値では10^<13>m^<-3>に及んでおり,既に10^<19>m^<-3>の中性プラズマを電気的に非中性化するために十分な値を達成している。これらの結果を踏まえて,次年度においては,中性プラズマ生成部において実際にプラズマを生成し,このプラズマを射出することを試みる。また,このプラズマを,その進行方向に対して垂直となる磁場成分を持つ縦磁場中通過させることにより,プラズマのプラズモイド化も試みる。そして,これら中性プラズマと電子プラズマを同期させることにより,電気的に非中性化されたプラズマの実験を開始する。
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