核融合実験装置、特に核融合科学研究所で実験が行われている大型ヘリカル装置LHDにおけるダイバータを含む周辺領域の3次元解析を行うための手法の構築を試みた。本年度は、その最初の段階として解析コード群の構成の検討および中性粒子輸送コードEIRENEの整備を中心として行った。 解析コード群は(1)計算格子生成、(2)プラズマ輸送コード、(3)中性粒子輸送コード、(4)シミュレーション結果の可視化に分離する事が妥当である。 (1)に関しては、3次元コードではこれまでの2次元コードと比較してきちんと整備する必要性が高いことが明らかとなったため、適切な計算格子を自動的に生成するためのコード開発に着手した。 (2)に関しては、平成12年度に研究を行う計画である。 (3)に関しては、これまでに各所で使用実績のある中性粒子輸送コードEIRENEの適用を考えている。LHDのヘリカルダイバータ配位および局所磁気島ダイバータ配位に対し、プラズマのパラメターを固定したEIRENE単独での計算を行い、実験結果を解析するための基礎となるデータが得られた。より多くのデータを蓄積するため、平成12年度もこの計算を継続して行う予定である。 (4)に関しては、IDLやAVSといった既存のツールを用いることで当面は十分実用に耐えることが分かった。
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