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2000 年度 実績報告書

多点での大気中ベンゾ(a)ピレン濃度測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11780377
研究機関岩手大学

研究代表者

齊藤 貢  岩手大学, 工学部, 助手 (20271843)

キーワードベンゾ(a)ピレン / 紫外線分解 / モニタリング / ミクロ繊維シート
研究概要

平成12年度は、B(a)P分解因子についての検討((1))、多点でのB(a)P濃度測定法の検討((2))について研究を行った。(1)については、昨年度から引き続きB(a)P分解因子についての研究を行った結果、分解因子として紫外線の他、水の存在が大きく影響することが確認された。紫外線の影響は顕著であり、B(a)P溶液を自然光の下で2日間連続照射し任意の時間にB(a)P濃度を測定した結果、日中では時間とともに濃度減少が確認されたが夜間はB(a)P濃度に変化は全く現れなかった。2日目も全く同様の結果が得られ、紫外線によりB(a)Pが分解されることは明らかとなった。また、水の存在でB(a)P分解が促進される点については、水の存在で紫外線を照射しない場合は分解が進行しないことから、紫外線によりOHラジカルが発生し、それがB(a)P分解の反応開始剤となっていることが考えられる。分解生成物に蛍光を発する生成物は確認されず、芳香環を持たない低分子化合物に分解したと考えられる。また、大気中のB(a)Pは粒子状あるいはガス状で存在している可能性が大きいため結晶状B(a)Pの紫外線による分解を検討した結果、高強度の紫外線を照射しても分解は全く確認されなかった。(2)については、昨年度の結果をふまえ、多点で容易に大気粉じんが捕集できるようにミクロ繊維シートをつり下げ型の懸架式とし、道路端でのモニタリングを1年間行った。モニタリング期間を1ヶ月とし、捕集粉じん量と捕集B(a)P量を測定した。交通量の多い幹線道路沿いで高い値を示す結果となったものの、同時にモニタリングを行ったエアサンプラーとの相関係数は捕集粉じん量、B(a)P量とも0.5程度であった。現段階では定性的な評価を行ったのみであり、エアサンプラーの代替としてはまだ不適である。降雨の影響を受けた月も見られたため、捕集材に改良を加え、モニタリング地点を増やすなど今後は定量的な評価を行う必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 齊藤貢: "街路樹の葉に捕捉される粉じん中のPAHおよび重金属類の分析"第41回大気環境学会年会講演要旨集. 378 (2000)

  • [文献書誌] 齊藤貢: "B(a)Pの光分解に関する検討"第7回大気環境学会北海道東北支部総会講演集. 19-20 (2000)

  • [文献書誌] 齊藤貢: "懸架式捕集材による大気粉じんの多点サンプリング"第7回大気環境学会北海道東北支部総会講演集. 41-42 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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