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1999 年度 実績報告書

公衆被曝線量の評価を目的とした小型軽量の環境放射能濃度測定器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11780389
研究機関東京大学

研究代表者

飯本 武志  東京大学, 原子力研究総合センター, 助手 (80302678)

キーワード環境放射能 / ラドン娘核種個別濃度 / 平衡等価ラドン濃度 / 携帯型測定器 / Tremblay法 / 被曝線量評価
研究概要

居住環境でも十分となる感度を有し、小型かつ軽量な「ラドン娘核種個別濃度測定器(PRPM)」プロトタイプの開発を試みた。PRPMの各パーツは、性能、価格、入手経路等を総合的に検討され、設計目標を達成するために最適なものが選定されている。PRPM全体では寸法65x145x170mm、電池を含めた総重量は780gとなった。通常の測定ではアルファ線のエネルギー弁別をせずに、内臓スケーラーによってグロス計数のみを行う(Tremblay法)。特にPo-218(RaA)濃度を精度よく測定する必要がある場合には、小型MCAを外付けで接続することによりエネルギー弁別計数を行い、いわゆるCliff法によって評価することも可能である。一測定に要する時間は予想される環境の濃度レベルやPo-218濃度の着目度に応じて、動作前にスライドスイッチによりモード設定する((1)全55分(5分-20分-30分;順に補修と1回目の測定、2回目の測定、3回目の測定)、(2)全60分(10分-20分-30分)、(3)全70分(20分-20分-30分))。測定のサイクルは別に用意されたスライドスイッチにて(a)2時間間隔(b)3時間間隔(c)4時間間隔のいずれかに設定でき自動運転することも可能となっている。試料捕集のための吸引流量は毎分2.3〜2.4リットルで側面の流量計により毎回監視される。実測定によりモード(2)での連続動作時間は9時間以上と評価され、電池交換をすることなしに最低8データをとることができる。計数効率はモンテカルロ計算によりPo-218のアルファ線に対しては0.120、Po-214に対しては0.145と評価され、モード(2)での通常測定による検出下限は平衡等価ラドン濃度(EECRn)で約4.7qm^<-3>となった。わが国の平均的な居住屋内ラドン濃度は15.5Bqm^<-3>であり、仮に屋内の平衡ファクタを0.6とした場合、平均的なEECRnは9.4Bqm^<-3>程度として計算されるので、本測定器はわが国の屋内濃度を評価するための十分な感度を有しているといえる。測定器としてはこのプロトタイプで完成したと考えられる。次年度以降は市販の測定器との比較校正試験、実環境における安定性試験、耐性試験等を実施し、必要であれば改造をすることを予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takeshi Iimoto,Tosiso Kosako: "Development of a Portable Radon Progeny Monitor for Individual Concentration"In;Proceedings of 10^<th> International Radiological Protection Association. 印刷中.

  • [文献書誌] Takeshi Iimoto,Toshiso Kosako Sugiura Nobuyuki: "Development of a Portable Radon Progeny Monitor for Individual Concentration"In;Proceedings of the 14^<th> Workshop of Radiation Detectors and Their Uses. 印刷中.

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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