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1999 年度 実績報告書

河川域に侵入・繁茂する帰化植物オオキンケイギクの現状と対策に関する研究-河川生態系にあたえる影響評価と環境保全学的対策-

研究課題

研究課題/領域番号 11780403
研究機関愛媛大学

研究代表者

牧 理子 (増田 理子)  愛媛大学, 工学部, 講師 (30304645)

キーワード撹乱 / 栄養繁殖 / 種子繁殖 / 種内変異 / 個体間差異 / 発芽率 / 近交係数
研究概要

1.生態学的調査
(1)野外調査 野外におけるオオキンケイギクの動態を調査するため,1999年5月から重信川(愛媛県一級河川)に調査区を設置し,1ヶ月ごとに実生の出現,個体の生長量,開花数,種子生産数,訪花昆虫などの調査を行った.調査期間中には豪雨のため2回の出水があり,その結果,4万個体から形成されていた個体群が100個体まで,激減した.しかし,その後,地下茎からの栄養繁殖,種子による実生の供給により個体群の回復が認められた.これらのことからオオキンケイギクは攪乱に対する耐性が非常に強く河川に侵入するのにもっとも適した生態学的性質を持っていると考えられた.
(2)種子発芽実験 野外から個体ごとに採集した種子を用いて種子発芽実験を行った.その結果,個体によって,発芽特性が異なっており,また,従来の温帯性草本類が示す発芽曲線と異なっていた.一般的に温帯性草本類は発芽の最適温度が明確であるが,オオキンケイギクの場合,個体による変異が大きく,また,発芽率も一定でないため非常に多型に飛んでいることが特徴としてあげられる.
2.遺伝学的調査
11年度については重信川河川内の遺伝的多様性についての実験を行った.10種類の酵素を用いて,多型について調査したところ,オオキンケイギクの遺伝的多様性は非常に高いことが示された.酵素活性が比較的低い時期に行った実験にも関わらず,多型が見つかり,遺伝子座から近交係数を求めたところ,完全他殖をしている可能性が示された.これは従来の帰化植物が,あまり多型性を持っていなかったことから考慮するとこれまでのパターンと違っていることが示された.
以上の結果を踏まえ,来年度にわたっても,生態学的調査を持続し,遺伝学的調査においては全国のオオキンケイギクの遺伝的多型性の解析から,帰化の経路,履歴についての考察を行うことを目標としている.

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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