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2000 年度 実績報告書

化学法と酵素法を利用したアスパラギン結合型複合糖鎖誘導体の合成とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 11780422
研究機関横浜市立大学

研究代表者

梶原 康宏  横浜市立大学, 理学部, 助手 (50275020)

キーワード糖鎖 / シアル酸 / 糖転移酵素
研究概要

本研究では、糖タンパク質から糖鎖のみを単離後、非還元末端に存在するシアル酸を糖加水分解酵素で除去し、化学的に合成しておいたシアル酸誘導体を糖転移酵素により組み込みなおし、アスパラギンに結合した分岐型の複合型糖鎖(N-結合型糖鎖)誘導体の簡便な合成法の確立をめざした。
プロナーゼ処理により得られたアスパラギン結合型2分岐糖鎖を精製した。そして、糖鎖の末端のシアル酸が結合していたり、あるいはいなかったりという不均一な構造をシアル酸加水分解酵素で処理することで単一構造のアシアロ糖鎖誘導体を効率良く得ることができた。
そして、この糖鎖の末端にシアル酸誘導体をシアル酸転移酵素で導入し、アスパラギン結合型2分岐糖鎖誘導体の合成を検討した。まず、導入するシアル酸誘導体の化学合成を行い、シアル酸の各水酸基が、デオキシ化されたもの、フッ素委化されたもの、保護基が導入された誘導体を合成した。そして、これらシアル酸誘導体をシアル酸転移酵素をもちいて、糖鎖の非還元末端へ導入することを検討した。その結果、シアル酸の側鎖を修飾したデオキシ糖を初めとする各種誘導体は、全て糖鎖の非還元末端へ転移でることが判明した。一方、シアル酸の4位修飾体は、転移反応を示すもののその効率は低いことが判明した。そして、実際に生成物を単離し、その構造を核磁気共鳴法、質量分析により決定した。
糖鎖の末端のシアル酸は、細胞間の相互作用に関与する重要な糖鎖である。この糖鎖の機能を調べる為の糖鎖誘導体を化学法と酵素法を組み合わせ、従来の化学法で得られる糖鎖誘導体よりも簡便にかつ大量に合成する手法を確立することができた。また、得られたシアリル糖鎖誘導体の3次元構造を核磁気共鳴法により解析するために、安定同位体で標識された各種シアル酸誘導体の合成および、糖鎖への導入法も確立することができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 宮崎達雄: "Precise chemoenzymatic Synthesis of ^<13>C-Labeled sialyloligosaccharide on an Intact Glycoprotein"Journal of American Chemical Society. 122(24). 5678-5694 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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