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1999 年度 実績報告書

X線結晶構造解析を用いたtRNAのアミノアシルtRNA合成酵素活性化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11780462
研究機関東京大学

研究代表者

濡木 理  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10272460)

キーワード蛋白質合成 / トランスファーRNA / アミノアシルtRNA合成酵素 / X線結晶構造解析 / 高度好熱菌
研究概要

高度好熱菌Thermus thermophilus由来のバリルtRNA合成酵素(ValRS)・tRNA^<Val>・バリルAMPアナログ3重複合体の結晶(分子量25万〕に関しては、重原子同型置換法により2.8A^^0での結晶構造の決定に成功した。この結果、ValRSによるtRNA^<Val>の認識機構を解明できたとともに、Dループ中のA20を認識して酵素が二量体化するという非常に興味深い知見を得ることができた。さらに、tRNAのアミノ酸受容末端はValRSのアミノ酸校正ドメインによって特異的に認識されており、本構造は校正反応状態を複合体であり、tRNAの認識と連携した酵素のアミノ酸構成機構に関して全世界に先駆けて新しい知見を得た(論文投稿中)。また、高度好熱菌由来アルギニルtRNA合成酵素(ArgRS)については、すでに酵素単体の結晶構造を1.8分解能で決定している(論文投稿中)。この構造に基づいてtRNAとのドッキングモデルを作成し、アイデンティティー決定因子であるA20を認識するアミノ酸をrationalに変換した8種類の変異体ArgRSを調製した。その結果、A20でなくG20やU20を持つtRNAを特異的に認識する変異体が同定され、わずか1アミノ酸残基の置換により、tRNAの特異性を変換することに成功した。さらにArgRSとtRNA^<Arg>の複合体に関しては、3A^^0分解能を持つ結晶(P3_n:a=b=100.2A^^0,c=90.0A^^0)の作成に成功した。また超好熱古細菌Pyrococcus horikoshiiのロイシルtRNA合成酵素、リジルtRNA合成酵素(古細菌以外ではクラスIIに属するが、本酵素はクラスIのATP結合モチーフを持ち、進化的に興味深い)の結晶化に成功した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Nureki,O.et al.: "Proofreading by isoleucy-transfer RNA synthetase"Science. 283. 459a (1999)

  • [文献書誌] Sekine,S.,O.Nueki,M.Tateno,and S.Yokoyama: "The identity determinants required for the discrimination between tRNA(Glu) and tRNA(Asp) by glutamyl-tRNA synthetase from Esherichia coli."Eur.J.Biochem.. 261. 354-360 (1999)

  • [文献書誌] 濡木理: "「tRNAへのアミノ酸の結合ーその起源と進化ー」"化学と工業. 50. 181-189 (1999)

  • [文献書誌] Mechulam,Y.,E.Schmitt,L.Maveryraud,C.Zelwer,O.Nureki,et al: "Crystal Structure of Escherichia coli methionyl-tRNA Synthetase highlights species-specific features"J.Mol.Biol.. 294. 1287-1297 (1999)

  • [文献書誌] Sugiura,I.,O.Mueki,et al: "The 2.0 A crystal structure of Thermus thermophilus methionyl-tRNA synthetase reveals two RNA-binding modules"Structure. 8. 197-208 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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