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1999 年度 実績報告書

固体NMRによる膜蛋白質中の金属イオン結合部位の特定ならびに立体構造、機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 11780476
研究機関姫路工業大学

研究代表者

辻 暁  姫路工業大学, 理学部, 助手 (60227387)

キーワード膜蛋白質 / バクテリオロドプシン / 固体高分解能NMR / 部位特異的変異 / プロトンポンプ / 金属イオン
研究概要

光プロトンポンプ機能を持つ膜蛋白質バクテリオロドプシシ(bR)の表面には二価金属イオン(Ca^<2+>,Mg^<2+>)が結合していることが知られている。これらの二価カチオンをNa^+,Mn^<2+>等に置換し、その固体NMRスペクトルヘの影響を観測することで、二価イオンの蛋白質構造への寄与を評価するとともに、部位特異的変異を導入したbRを用い、二価カチオン結合部位の評価を行った。二価カチオンを一価のNa^+に置換した場合、高濃度Na^+(〜100mM)存在下ではアラニン側鎖メチル炭素の固体NMR信号はC-末端部位を除いてほぼ変化せず、二価カチオンによる立体構造への影響はC-末端部位に限定されることがわかった。NMR緩和試薬であるMn^<2+>による二価カチオンの置換により、細胞外側表面では膜表面から突出した親水ループに位置する残基の信号のみが緩和試薬の影響を受けて消滅するのに対し、細胞内側表面近傍ではループ部位とともに膜貫通α-ヘリックス部位も影響を受けており、細胞外側及び内側表面でイオンの到達する深度に非対称性があることがわかった。bRの細胞外側半分に位置し、プロトンの放出に働くプロトンチャネル周囲の残基(51位、53位、81位、84位、126位および215位アラニン)はMn^<2+>による影響を受けないことから、Schiff塩基近傍から細胞外側のプロトンチャネルにはカチオンの結合が全く存在しないことが見いだされた。このようなカチオン結合部位の特徴を利用し、カチオンとしてMn^<2+>を結合した条件下で、細胞外側に位置するプロトンチャネルを選択的に観測し、bRのプロトン輸送機能に関連するチャネル構造変化を解析することに成功した。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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