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1999 年度 実績報告書

時間分割X線構造解析による銅含有アミン酸化酵素のトパキノン生成機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11780479
研究機関関西学院大学

研究代表者

山口 宏  関西学院大学, 理学部, 専任講師 (10252719)

キーワード銅含有アミン酸化酵素 / 結晶構造 / 金属置換 / 酸素結合部位 / キセノン結合部位 / 反応中間体
研究概要

銅含有アミン酸化酵素中に存在するトパキノン補酵素の生成過程を明らかにするために反応中間体のモデル系や反応中間体の構造決定をクライオ条件下のX線結晶解析法によって試みた。回折強度データの収集は、高エネ研およびS Pring8のシンクロトロン放射光を用いて収集した。まず、アポ型酵素に最初に銅イオンが結合する時の構造のモデルとして、アポ型酵素に銅イオンの代わりに亜鉛イオン、コバルトイオン、ニッケルイオンを結合させて結晶化し、その構造を決定した。その結果、各イオンは、トパキノン前駆体のチロシンのOHと3つのヒスチジンで歪んだ四面体配位をとることが明らかになった。次に、グローブボックス中で無酸素条件下でアポ型酵素結晶への銅イオンの結合実験を行い、無酸素条件のままクライオ条件にすることにより最初の反応中間体のトラップを試みた。構造解析を行ったところ、銅イオンも異種金属を結合させたモデル系の結晶構造と同様、チロシンのOHと3つのヒスチジンが配位子となる歪んだ四面体構造をとることが明らかになった。さらに、チロシン環と反応する酸素分子の初期的な結合部位を決定するために、亜鉛を結合させた結晶を用い、キセノンガスを10気圧で結晶に導入して結晶をクライオ条件に移し構造解析を行った。その結果、キセノン分子が金属結合部位から約7Å離れた疎水性領域に結合することを見いだし、酸素の結合部位であると推定した。以上の結果より、初期的な反応の進行は、以下のように推定された。まずチロシン残基が直接銅イオンの配位子となり、銅イオンが四面体構造をとる。次に金属結合部位の近傍に存在していた酸素が、銅イオンの結合後、His592のコンフォメーション変化により空いたスペースに移動し、銅イオンに配位し反応が進行する。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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