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1999 年度 実績報告書

時間分解ホールバーニング分光法を用いた蛋白質構造ダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 11780483
研究機関(財)レーザー技術総合研究所

研究代表者

柴田 穣  財団法人 レーザー技術総合研究所, レーザーバイオ科学研究チーム, 研究員 (20300832)

キーワードホールバーニング分光 / 蛋白質構造ダイナミクス / 酵素蛋白質 / ペルオキシダーゼ
研究概要

これまでに行ってきた、時間分解ホールバーニング(TRTHB)分光による蛋白質分子の遅い揺らぎのダイナミクスの研究を、構造的、機能的により複雑な蛋白質に適用する事を目的として、本助成金を利用して研究を行っている。この一年間で、これまでには実験を行っていなかった酵素蛋白質についての実験に成功した。対象としたのは、ヘムを持つ酵素である、Horseradish Peroxidase(HRP)である。TRTHB法では、野生型のものに含まれるヘムを亜鉛ポルフィリンに置換する必要があるが、HRPではこの手法が既に確立している。まずは、報告されている方法で亜鉛置換体(ZnHRP)が得られることを確認した。こうして得られたZnHRPにおいて、基質の一つであるBenzohydroxamic acid(BHA)を結合した場合と、基質フリーの場合の構造揺らぎダイナミクスを比較する実験を行った。ZnHRPが、BHA結合能を失っていない事は、滴定実験により確認された。また、低温でのホールバーニングスペクトルの励起波長依存性から、BHAを結合した時のZnHRPには、少なくとも二つの状態が存在することが明らかとなった。TRTHB法においては、二つあるBHA結合状態のうちの一方で、スペクトルが時間に依存して変化する事が確認され、遅い揺らぎの存在が示された。一方、BHAフリーの場合には、220K〜300Kの温度領域において、スペクトルの時間変化は観測されず、非常に揺らぎが速い事が示唆された。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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