研究概要 |
ノシセプチン受容体ノックアウトマウス脳組織において発現が増加ないし減少する遺伝子断片の単離を行なった.ノックアウトマウス,野生型マウス間でのcDNAサブトラクションの結果,ノックアウトマウスにおいて発現が増加するcDNA断片が数個得られた.塩基配列の解読,遺伝子データベースとの照合から,その多くは機能がわかっている既知遺伝子産物であったが,特に細胞内物質輸送に関連したタンパク群が多く含まれていた.一方,新規遺伝子断片は2個得られた.いずれもESTで塩基配列が一部既報の領域を含んでいたが,タンパクの構造・機能については不明なものであった.そのうち1つは現在解析中である.EST Assembly,ヒトゲノム配列を用いた検索から,この新規遺伝子ヒトホモログは,ヒト第6番染色体上に位置し,複数のエキソンをもつことが明らかとなった.さらに未知のタンパクコーディング領域を含む5上流エキソンをヒトゲノムから予測し,アミノ配列を推定したところ,酵母や線虫において高い相同性をもつ機能不明のタンパクをコードすることが判明した.現在この新規遺伝子の完全長cDNAのクローニングおよび脳内発現分布などを解析中である.
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