• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

神経突起伸長におけるシナプトタグミンファミリーの機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11780571
研究機関理化学研究所

研究代表者

福田 光則  理化学研究所, 発生神経生物研究チーム, 研究員 (50311361)

キーワードシナプトタグミン / 神経突起伸長 / イノシトールポリリン酸 / 神経伝達物質放出 / シナプス小胞 / リン脂質結合 / エキソサイトーシス / エンドサイトーシス
研究概要

シナプトタグミン1または2はシナプス小胞上に存在する膜タンパク質で、細胞質側に存在する二つのC2ドメイン(C2A,C2B)を介して神経伝達物質放出の際のカルシウムセンサーとして機能するだけでなく、発達中の神経細胞の成長円錐小胞上にも存在し神経突起の伸長にも関与することが明かとなっている。シナプトタグミンはラットにおいて遺伝子レベルで少なくとも11種類のアイソフォームが存在することが報告されているが、シナプトタグミン1及び2以外のアイソフォームの機能、組織分布及び細胞内局在は全く明らかではなかった。そこで本年度はシナプトタグミンファミリーの機能の多様性を明らかにするためまずマウスシナプトタグミン1-11のcDNAクローニングを行い(Fukuda et al.(1999)J.Biol.Chem.)、ある種のアイソフォームではalternative splicingにより機能が異なると考えられる多様な分子種が生み出されることを明らかにした(Fukuda & Mikoshiba(1999)J.Biol.Chem.)。さらにシナプトタグミン4と呼ばれる4番目のアイソフォームに着目し、特異的抗体を作成することにより以下の知見を明らかにした(Ibata et al.(2000)J.Neurochem.)(1)シナプトタグミン4分子は神経細胞の発達時期にのみ強い発現がみられる。(2)シナプトタグミン1とは異なりゴルジ体及び発達中の神経細胞の神経突起先端に局在する。(3)細胞膜の脱分極刺激によりその蛋白質量が増大する。以上の結果からシナプトタグミン4分子はシナプトタグミン1分子とは異なる機能を持ち、神経活動依存的に起こると考えられるシナプス(あるいは神経回路網)形成に重要な役割を担うものと考えられた。現在、他のアイソフォームについても特異的抗体を作成し神経突起あるいはシナプス形成との関連性を検討中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Fukuda M.,Kanno E.and Mikoshiba k.: "Conserved N-terminal cysteine motif is essential for homo-and heterodimer formation of synaptotagmins III,V,and X"J.Biol.Chem.. 274. 31421-31427 (1999)

  • [文献書誌] Fukuda M.and Mikoshiba K.: "A novel alternatively spliced variant of synaptotagmin VI(Syt VI△TM)lacking a transmembrane domain : Implications for distinct functions of the two isoforms"J.Biol.Chem.. 274. 31428-31434 (1999)

  • [文献書誌] Ibata K.,Fukuda M.,Hamada T.,Kabayama H.and Mikoshiba K.: "Synaptotagmin IV is present at the Golgi and distal parts of neurites"J.Neurochem.. 74. 518-526 (2000)

  • [文献書誌] Mikoshiba K.,Fukuda M.,Ibata K.,Kabayama H.and Mizutani A.: "Role of synaptotagmin,aCa^<2+> and inositol polyphosphate binding protein,in neurotransmitter release and neurite outgrowth"Chem.Phys.Lipids. 98. 59-67 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi