研究概要 |
本年度は腎症候性出血熱およびハンタウイルス肺症候群の実験動物における鑑別診断法を確立することを目的として以下の研究を行った。 1.各種齧歯類の血清の収集 各種ハムスター類・エゾヤチネズミ・Bandicotta属の齧歯類・東南アジア産各種クマネズミ等の実験動物として使用される可能性があり、かつハンタウイルスのレゼルボアになりうる齧歯類の血清を収集した。 2.抗体検出系の決定 Protein A/Protein G/抗マウス、抗ラット、の各種動物血清(イムノグロブリン)との反応性の比較および適性使用濃度の決定をIFAまたはELISAを用いて決定した。 3.組み換え抗原の準備と抗血清の作成 Hantaan,SinNombre株の組み換え核蛋白をヒスチジンタグ融合蛋白として発現し精製する。これを抗原としてウサギに免疫し抗Hantaan標準抗血清を作製した。抗SinNombre株標準血清は現在免疫中である。また、Puumalaの組み換え蛋白は作成中である。 1.の血清の収集において、アメリカネズミ亜科の齧歯類の血清を収集する事ができなかったが、その点をのぞき、おおむね当初の計画通りに進行している。
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