本研究では、KDPラットにおけるI型糖尿病原因遺伝子Iddm/kdp1の同定を目的として、ポジショナルクローニングおよびポジショナル候補遺伝子アプローチによる研究を遂行している。これまでに、当該遺伝子座をラット第11染色体上の約3cMの領域内にマッピングし、またマウス第16染色体上の相同領域における精密連鎖地図を作製した。さらに、マウスBACクローンを用いて、当該遺伝子座領域の一部を包含する物理地図を構築した。今年度は、ラットYACおよびBACクローンによる物理地図の構築と当該遺伝子の同定を行った。 1.ラットYACおよびBACクローンを用いて当該領域全てを包含する物理地図を構築した。 2.物理地図を用いて、塩基配列の決定により複数の遺伝子を同定した。同時に比較遺伝子地図の情報を用いて、相同なヒトゲノム領域から遺伝子およびESTを選択し、物理地図上にマッピングした。 3.これらの遺伝子およびESTについて、ノーザンブロット解析、RT-PCR解析、サザンブロット解析、塩基配列の決定等によりKDPラットにおける変異を検索した。その結果、Iddm/kdp1の候補遺伝子を見出し、KDPラットにおいて特異的な変異を同定した。 今回同定した候補遺伝子にKDPラット特異的な変異が存在することから、当遺伝子がIddm/kdp1であることが強く示唆される。
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