研究概要 |
本グループではX線により励起された元素から放射される蛍光X線に着目して,機能情報取得のための高濃度・高空間分解能放射光CT技術の開発に取り組んできた.放射光蛍光X線CTでは,放射光の持つ特性を最大限に利用する. 本研究では,これまでの実験に比ベビーム断面積を約1/25にすることで,より高空間分解能な蛍光X線CTの開発を目指した.空間分解能および定量性評価用物理ファントム,生体組織として摘出されたヒト甲状腺(ガン組織では正常組織よりヨウ素の含有量が減少している.この集積の程度でI-131を用いた放射線治療の効果が予想できる)を撮像した.物理ファントムでは,再構成画像に良好な定量性を確認した.これを用いて,ヒト甲状腺のin vitro画像からヨウ素分布を定量的に推定した結果,化学的手法によって得られている値と同じものが得られた.この事実は,蛍光X線CTが高い空間分解能だけでなく,高い定量性をもつことを示す.
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