1.神経再生型電極の設計・製作 フレキシブル基板上にマイクロマシニング技術を利用して、神経再生型電極の設計、製作を行った。具体的には、従来の電極金属として銅を使用する方法を改良し、ポリイミドフィルム上にリフトオフ法によって白金のパターン層を形成し、カバーレイ層として液体ポリイミドをコートして、エッチングによって電極部を露出させた。この作成法の改良によって、微細化と多チャンネル化、及び電極金属の生体適合性の向上が可能となった。さらなる長期安定性、多チャンネル化、、微細化生体適合性の向上を念頭において、電極のサイズや形状の違う様々なタイプの試作品を作成し、適宜ラットへの埋め込み実験を行って形状などに関して評価実験を行い、設計へのフィードバックを行った。電極と神経の接合部における神経再生促進因子塗布など、再生促進に関する検討も行った。これに関しては、培養神経細胞(後根神経節細胞)などによっても再生条件の検討を行った。 2.電極の動物への埋め込み実験・神経信号の計測及び解析 試作した電極の性能を評価するために、電極をラットの神経に埋め込み、一定期間後に神経信号の計測、および病理標本による神経再生の確認を行った。また再生を待たず、通常のフィルム型電極としての性能も、評価実験として確かめた。物理的刺激部位と神経信号との関係などから、計測神経信号の支配域などを同定した。 病理標本作成による、電極孔を通過した再生軸策の本数などの評価についても現在実行中である。
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