研究課題
地域連携推進研究費
本研究プロジェクトは連関したサブプロジェクトの調査研究から次のような成果を獲得した。高齢者の地域生活調査を実施し、高齢期の地域生活における福祉ニーズを明らかにした。地域のボランティア組織である社会福祉協議会(学区社協)における活動の担い手調査を実施し、活動支援を目的とした福祉情報ニーズを明らかにした地域のボランティア活動団体への調査を実施し、活動を展開する際の資源ニーズを明らかにした。青年を対象にしたボランティア意識調査を実施し、ボランティア活動へのニーズを明らかにしたシニアサイトとパブリックアクセス調査を実施し、高齢化社会におけるメディアリテラシーのあり方について検討した。これら一連の地域福祉に関する研究成果を統合させることによって、高齢者福祉情報システムモデルとしてのWeb型福祉GISシステムとボランティア情報地図配信システムの構築を行った。開発された福祉情報システムは、サーバー上に高齢者世帯情報・福祉施設情報データベースを配置し、GIS機能を利用することにより、地域の福祉情報を空間情報として管理・表示・分析することができる。主要目的・機能は、(1)高齢者世帯情報の総合的管理による地域福祉活動支援、(2)地域福祉マップ(福祉施設情報、バリアフリー情報、防災情報、商店等の地域生活情報の表示・検索)としての役割である。福祉情報を地図上で空間的に表示することにより、視覚的・空間的把握にもとづく時間的・計画的な発想を刺激し、地域福祉活動や福祉政策立案を効率よく行うためのツールとなるものである。なお、世帯情報以外の福祉情報に関してはインターネット上で表示・検索することが可能であり、このシステムが地域住民の社会福祉に対する高い関心を促し、地域福祉実践のネットワークを充実させていく重要な機能を備えている。