研究課題/領域番号 |
11792001
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
金光 義彦 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (30185954)
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研究分担者 |
長村 俊彦 (株)ユニソク, 研究開発部, 部長(研究職)
櫛田 孝司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (00013516)
服部 賢 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (00222216)
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キーワード | 走査型顕微鏡 / オージェ分析 / トンネル顕微鏡 / 近接場顕微鏡 / 表面構造 |
研究概要 |
本研究では、新しいタイプの超小型分析装置開発・評価のために専門分野の異なる研究者が各自の専門を生かし共同で装置の研究開発を行った。オージェ分析器と走査トンネル顕微鏡の長所を併せ持った新しい装置の実現には、走査トンネル顕微鏡を基本とした観測部に、高エネルギーの電子線源としての機能を持った特殊な探針および試料から放出された電子のエネルギー分析を行う電子分光装置が必要であることがわかった。そこで、軌道解析プログラムを使用し、探針、および試料から放出される電子の軌道解析を行い特殊探針、および電子分光装置を設計・作成した。この装置の開発において、探針が作る局所的な強い電場の影響を取り除くことが重大な課題であったが、われわれは引き出し電極を兼ねたシールド電極を探針周囲に取り付けることでこの問題を解決し、試料から放出されたオージェ電子を、探針後方に取り付けた電子分光器を用いて正確な運動エネルギーで観測できることを確認した。これにより、走査トンネル顕微鏡により原子レベルで表面構造を観察した試料表面に対する元素分析が可能となった。また、この探針周囲にレンズ作用を持つ電極を取り付けることにより、探針から放出される電子線が試料に収束されることを電子軌道プログラムにより導出した。さらに、収束イオンビーム装置等を用いて、探針および電極を加工し、電子軌道計算で得られた結果を実証する結果を得ることができた。これにより、走査トンネル顕微鏡の観測部におけるオージェ分光測定の空間分解能が著しく向上することがわかった。これらの研究成果により、走査オージェ分析トンネル顕微鏡を開発することができた。
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