研究課題/領域番号 |
11792005
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊東 一良 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80113520)
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研究分担者 |
小西 毅 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90283720)
谷田 純 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00183070)
一岡 芳樹 奈良工業高等専門学校, 校長 (30029003)
萩行 正憲 大阪大学, 超伝導フォトニクス研究センター, 教授 (10144429)
渡辺 歴 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90314377)
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キーワード | 超短光パルス / 非線形時空間フォトニクス / テラ光パルス / 白色光パルス / 光加工 / 時空間情報処理 / 自己束縛 / 分光的断層像 |
研究概要 |
本研究の目的は、大阪府地域結集型共同研究事業「テラ光情報基盤技術開発」、および、大阪大学ベンチャービジネスラボラトリーと連携し、超短光レーザーパルスを用いた非線形時空間フォトニクスの基盤光技術を確立することである。本年度は、1)フィラメントアレイの制御および単一超高輝度白色光源合成と安定化、2)光によるガラス加工の理論解析とモデルの構築、3)白色光源による生体の観察、4)超高速画像通信方式の実験的検討、5)「大阪府地域結集型共同事業」との共同講演会の実施を行う予定であった。以下に本年度中に達成された成果をまとめる。 ・理論解析とモデルの構築 フィラメントを利用した導波路形成や、ボイドの形成について、時間領域差分法により理論解析が進行中である。 ・ボイド移動および結合 チタンサファイアレーザー光パルス(波長:800nm、パルス幅:130fs)をシリカガラス中に集光し、直径約1μmの空隙(ボイド)を生成した。集光点の移動と超短光パルスの露光を繰り返すことにより、ボイドを約5μm光軸に沿って移動させることが可能であることを世界に先駆けて成功した。また、光軸上の2つのボイドを1つのボイドに結合させることにも成功した。 ・自己束縛フィラメントによる屈折率変化の誘起 超短光パルスの自己束縛フィラメントを利用しシリカガラス内部に屈折率変化の誘起を行った。屈折率変化部分は直径約2μm、長さ約10〜500μm、最大屈折率変化10^<-2>であることを明らかにした。誘起された屈折率変化は入射する超短光パルスの偏光に依存する複屈折性をもつこともわかった。 ・白色光源の安定化と生体観察 分散型干渉分光トモグラフィーシステムを用いてエビなどの甲殻類をはじめとした生物組織の分光断層画像を測定し,評価を行った.超高輝度白色光源の安定化は実施できなかった. ・超高速画像通信方式 超高速画像通信方式については2次元情報通信の伝送部分について、実際の光ファイバーを用いた超短光パルス伝送実験に成功し、現在その成果をまとめている。。 ・「大阪府地域結集型共同研究事業」との共同討論会の開催 大阪科学技術センターにおいて、第7回テラ光情報技術研究会が開かれた際(2000年7月19日)に、本研究グループも合流し、特別講演を行い、討論を行った。
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