研究課題/領域番号 |
11792009
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
圓山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
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研究分担者 |
松本 寛 東北大学, 素材工学研究所, 講師 (30006043)
小濱 泰昭 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (60006202)
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20197065)
江刺 正喜 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20108468)
山家 智之 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (70241578)
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キーワード | ペルチェ素子 / 形状記憶合金 / ペルチェ運動素子 / 熱電運動素子 / 能動カテーテル / 人工心筋 |
研究概要 |
本研究では、電気で熱を移動させるペルチェ素子と、温度によって形状が変化する形状記憶合金を融合させた新しいアクチュエーターである熱電運動素子を開発し、医療・福祉産業への応用展開を行うことを目的としている。 ペルチェ素子は一定状態で作動させたときの冷却能力に限界があるが、熱を電気で移動させる素子で利用すると、電気ヒーターよりはるかに効率良く加熱冷却が可能である。形状記憶合金の作動には通常、電気加熱が用いられるが、効率や応答速度に限界がある。ペルチェ素子と形状記憶合金を融合しペルチェ運動素子とすることによって、アクチュエーターの小型高速化と効率化ができる可能性がある。 プロジェクトの初期段階では、既存のペルチェモジュールを使用した運動素子の試作を行ったが実用に耐える小さな運動素子はできなかった。そこで、半導体素子であるペルチェ素子を個々に購入し、立体的に組み立て直径1mmの形状記憶合金と組み合わせることによって、直径8mmの能動カテーテルを開発した。このカテーテルは任意の曲げ動作とねじれ動作が可能である。ねじれ動作が可能なこの種の能動カテーテルは世界ではじめてである。 さらに、ペルチェ素子とヒートシンクを組み合わせることによって、人工補助心臓を目指した人工心筋の開発を行った。従来の電気加熱型形状記憶合金では応答速度が数十秒必要であったが、ペルチェ素子とヒートシンクを立体的に組み合わせた本人工筋肉は最高1Hzの高速動作が可能となった。 以上の結果から、本年度の研究成果は100%以上の目標が達成された。
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