研究課題
本研究では、可視域あるいは近赤外域で三次元フォトニックバンドギャップを形成するような材料を設計していく上で基礎となる理論を展開するとともに、ハイブリッドフォトニック結晶(PHC)を実現するのに適した要素材料の創製、新しいフォトニック結晶創製方法を確立し、さらに、これら新しいHPCに特徴的な電子的、光学的、磁気的性質を明らかにし、それらを用いた新しい応用の可能性を探求することを目的として研究を行った。主要な成果は以下の通りである。(1)サイズ200〜1000nmのSiO_2微小球からバルクならびに薄膜人工オパールの作製方法を確立し、それらの空隙にレーザー色素、共役系高分子、液晶、フォトクロミック色素等を浸透させる手法を確立した。(2)人工オパールの空隙にフォトポリマー等を浸透させることにより高分子オパールレプリカの作製方法を確立し、それらの中に(1)と同様な機能雄樹材料を浸透させることに成功した。(3)(1)および(2)で作製したオパールおよびオパールレプリカの光学的性質を調べ、それらに及ぼす浸透効果を明らかにした。(4)熱処理によってオパールの周期構造を制御することによりフォトニックバンドの制御の可能性を示唆した。(5)レーザー色素を導入した人工オパールお呼びレプリカにおけるレーザー発振閾値の低減、誘導ラマン散乱の確認、レーザー発振波長の選択性等を確認した。(6)液晶を浸透させたオパールおよびレプリカにおけるストップバンドのシフトおよび温度によるその制御を実現した。(7)エラストマー微小球からなる人工オパールに応力を加えることによりストップバンドの制御が可能であることを見出した。(8)導電性高分子を浸透させた人工オパールにおいて電気化学的手法によりストップバンドを制御することに成功した。
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