研究課題
1999年度(平成11年度)における研究の進捗:(1)試作装置:海綿骨の骨密度二次元断層像を実現するための試作装置は三つのユニットで構成されている。すなわち集束性高分解能超音波送波部、高分解能超音波受部および超音波ビーム精密走査機構部である。同志社大学の開発研究により得た基礎データにもとづき、同志社大学と堀場製作所が共同で設計を担当し、堀場製作所の協力会社である(株)クリスタル光学が装置の試作を担当した。これらの試作装置は1月末に完成し、現在調整中である。装置の調整を終えて、骨密度計測の具体的な作業に入るのは2000年9月頃の予定である。(須崎、大谷が担当)(2)海綿骨内の微細骨梁構造および骨密度分布:海面骨試料を微細X線CT法により解析を行い、骨塩量の分布および骨密度の推定を行っている。同時に質量と容積を用いて物理的に骨密度の平均値を求め、この2種類の骨密度の値と超音波伝搬パラメータから推定した骨密度と比較し、これらの定義の異なる骨密度相互の因果関係の解析を進めている。(高田、大谷が担当)(3)pQCT法および超音波波による臨床データの収集および解析:pQCT法および超音波法で取得した臨床データの解析を進めた結果、超音波伝搬パラメータの解析の問題点を明らかにした。すなわち超音波伝搬パラメータとして従来用いられていた音速と減衰定数だけでは骨密度の推定は不十分であり、軟組織、皮質骨、海綿骨の各境界における反射係数と透過係数を考慮して骨密度の測定を行う必要があることを明らかにできた。(高井、大谷が担当)(4)海綿骨および皮質骨の強度評価:海綿骨および皮質骨の強度評価に必要な治具の試作を繰り返し、計測方法の確立のために基礎データを蓄積した。(坂口、佐藤が担当)
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