研究概要 |
微小生物の運動を模擬するために、マトリックス状に多数のレーザスポット光を投光するマルチスポット投光器とそれらのスポット光を変位させるガルバノミラーを用いて実験を行った.また,TVカメラから様々な距離に設置した複数の平板にマルチスポット光を投光し、装置の計測性能を評価した. 既知の位置においた平板にマルチスポット光を投光し、本装置で計測された結果と比較することで位置情報に関する計測性能を評価した.また,既知の速度でレーザスポット光を移動させ、計測された結果と比較し,速度情報に関する計測性能を評価した. 本計測装置によって微小粒子は,円軌跡または,らせん軌跡として撮影され,その径は奥行きに反比例する.対象が密集していると,軌跡は互いに重なるが,重なった軌跡からそれぞれの軌跡を切り出す手法を開発した.マルチスポット投光器から平板までの距離を変化させることで,レーザドット間の間隔を変化させた.レーザドット間の距離が短い場合、撮影される軌跡が互いに重なる.重なり度合いに対する軌跡の自動切り出し率を調べ,その結果に基づいて,アルゴリズムの改良を行った. 粒子が運動している場合,撮影される粒子は画像上でらせん軌跡を描く,らせん軌跡のピッチはTVカメラの受像面に平行な方向の速度を示し,また、らせん軌跡の径の変化量は奥行き方向の速度成分を示す.そのため,らせん軌跡を解析することで,粒子運動の三次元速度を計測することができる.TVカメラのフィールド周期と計測器の同期を取ることで,らせん画像解析を大幅に簡単化することが可能となった. 三次元計測器の開発と同時に,乾燥卵で供給されているアルテミアを用いて,コンピュータによる追跡プログラムを試作し,良好に追跡できることを確認した.
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