研究概要 |
Z軸ステージ上に目盛りを刻んだ平板を設置し,これにマルチスポットレーザを照射し,平板に現れる輝点の位置を計測器で計測する実験を行った.予め直線の式を求めておき,撮影される輝点はこのレーザの式上にあることから,計測値を補正し計測値の精度向上に利用する新たな着想に至った.計測精度を検定し,2倍以上の計測性能が得られた.この着想により,粒子運動の計測以外にも,流体自由表面形状計測など,本計測器の応用範囲の拡大が見込まれる.また,中空軸モータに屈折レンズを埋め込むことで,計測器の振動を押さえることが可能になった.それに伴い,撮影される画像の鮮明さが向上し,一度に計測される計測点の数を大幅に増やすことが可能になった. 撮影されるらせん軌跡の情報をフィールド間で比較し,その変化から非定常的な運動状態を解析するアルゴリズムを開発した.異なる時刻に撮影された画像間で対応する計測点を探し出す処理が必要であるが,本計測手法で撮影される各計測点の形状は,円形のバイアスにより,計測点ごとに異なり,また,画像間では,同一の計測点であれば,相似形になる.この特徴は,画像処理の自動化には非常に有効であることを確認した.また.微小生物の運動計測に用いるマイクロスコープには,これまで用いていた矩形断面の屈折レンズの変わりにウェッジプリズムを利用することで,TVカメラからの奥行き情報をさらに正確に算出できることを確認した.本研究では,地域の特性を生かした研究として,流体中や溶液中の粒子や微小生物の運動状態を計測する手法を開発した.平成14年度からは,さらに,"画像処理による海洋生物環境モニタリング"(地域結集型プロジェクト)のテーマでさらに発展する予定である.
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