研究分担者 |
池田 輝之 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40314421)
太田 健一 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10150351)
村上 健児 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (60112067)
丸山 嘉一郎 有限会社丸総ビジネス, 代表取締役(研究職)
村山 弘 株式会社村山製作所, 代表取締役(研究職)
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研究概要 |
研究代表者らは、数気圧の水素や窒素ガス雰囲気中で銅、鉄、アルミニウムなどを溶解し、それを特定の冷却速度で一方向凝固させることによって数μmから10mmの直径の均一サイズのレンコン(ロータス)構造を有するポーラス金属の作製方法を開発した.このロータス型金属は従来の多孔質焼結金属や発泡金属とは全く製造方法が異なり媒体の強度を十分確保しつつ微細な孔を成形できるもので,言わば、材料と構造とが一体化したものである。本研究は、このような優れたロータス形状ポーラス金属を用いて、高性能フィルター,静圧軸受け,ループ形ヒートパイプ,過熱蒸気発生装置,軽量マンホール,車止め,多孔性口腔インプラント(チタン製人工歯根)を開発し、実用化をめざすことを主な目的としている。 平成11年度の研究結果によると,ポーラス金属の内部摩擦が異常に大きいこと,比強度がノンポーラス金属と変らないこと,さらに,巨大表面積をもつポーラス鉄を浸炭,窒化させるとノンポーラス鉄より格段の強度が得られること,ポア(気泡)が結晶粒成長を阻止することなど,従来の材料学の常識を破るような新現象が発見された.さらに,圧力損失の少ない高性能フィルター,静圧軸受け,過熱蒸気発生装置を作製することに成功した.また、ポーラス銅製の人工歯根をモルモットの口腔にインプラントし,順調な機能を示したものの銅固有の毒性のためにモルモットが死亡した.今後,ステンレス製あるいはチタン製の人工歯根の作製が望まれる.また,ポーラス金属を用いたループ形ヒートパイプは従来型の溝型ヒートパイプよりもはるかに冷却効率,圧損効率が優れていることがシミュレーションの結果から明確になった.
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