研究分担者 |
藤井 智史 郵政省, 沖縄電波観測所, 主任研究員
伊良波 茂雄 琉球大学, 工学部, 助教授 (30045025)
津嘉山 正光 琉球大学, 工学部, 教授 (50044996)
川満 康智 (有)海岸環境調査研究所, 主任研究員
鹿熊 信一郎 沖縄県 水産試験場, 主任研究員
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研究概要 |
主とする調査海域である残波沖における曳航観測および固定観測により,広域な海流と湧昇流観測が実施された.この観測は2ヶ月間に及び,その間中規模暖水塊の発生や台風の発生など海象と気象の大きな変化が発生した.残波海域では,地形性に起因する湧昇流と水平大循環流を捉えることに成功し,それが貧栄養塩海域として知られる開放性海域の栄養塩のソースを形成させていることが明らかとなった. さらに,観測は沖縄県石垣島でも行われ,遠浅な海岸における海流の流れ構造が調べられた.この観測データは,岬など地形が急峻な海域における海流特性と全く異なるとする結果を与えた.こうした海域において,本研究で提案する人工湧昇流発生構造物の機能が発揮されるとする知見を得た. 海洋レーダーや波浪観測網の整備は本年度も進められ,新たに南大東島観測ステーションが建設された.この観測網の整備により,海流観測が南西諸島海域の全域をほぼカバーするようになり,海流データの面的な情報を加えることが出来た. また,構造解析に当たっては,流体や弾性体の解析のための新たな構成方程式や支配方程式を見出すなど大きな成果を上げている.
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