研究概要 |
精度よい理論的強震動予測手法を確立するには,(1)震源の特性化と(2)地下構造モデルの構築が重要であり,これらのモデル化の正当性を確認するために,(3)地震動の観測や(4)地震動記録の収集とその解析を行う必要がある.京都盆地は京都市において科学技術庁振興調整費によって98年度より地下構造調査が行われており,基礎的な地下構造のモデルが提供される.本研究においては京都盆地をテストサイトとして,上記4項目の研究課題を推進するために既往の資料収集を主に行った. (1)既往断層モデルの収集:国内外の内陸地震の震源モデルを収集し,コンパイル,震源モデルの特性化とそのパラメータ吟味を行った. (2)京都盆地の地下構造情報の収集とモデル化:京都市で行われている地下構造探査情報や既往の調査結果を収集した. (3)京都盆地周辺地域における地震記録の収集と整理:京都盆地においては科技庁(KNET),大学,京都市などが強震観測を行っており,貴重なデータベースとなっている.本研究で推進される地下構造のモデルの妥当性検討のためにこれらの波形データの収集を行った. (4)2次元アレイ観測の設置:(1)で得られた地震観測点は広域に設置されており,盆地全体の地震動特性を把握するには都合がよいが,地下構造モデルの妥当性を検討するには,波群処理解析ができる高密度のアレイ観測が都合がよい.そのため,多点広帯域地震観測装置による高密度のアレイ観測設置準備と観測点の整備を行った.当該地域において既往の地下構造探査情報を収集した.
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