研究課題
本課題の目的は、既に試作済みの水素吸蔵合金(MH)アクチュエータを改良して介助機器やリハビリ機器っを開発し、高齢社会および地域産業に貢献することである。本年度は次の4点の成果を得た。1.MHアクチュエータの高速化と低消費電力化を図り、100kgの重量を今までの倍の速さ(5cm/sec)でリチウム水素2個で30cmまで上げることができた。2.介助動作の生体工学的研究に基づき、このMHアクチュエータを用いた介助装置の実用器を開発し、病院において評価実験を進めることができた。3.水素漏れの少ない柔らかく薄い高分子材料を探し、その評価実験を通じて、柔軟な機能を備えたMHアクチュエータの可能性を示した。4.この柔軟MHアクチュエータを関節等に装着することにより、関節硬縮をほぐすためのリハビリ機器および残存筋力を補強するアシスト機器への道が拓かれた。なお、この成果から、本介助装置を製品化するための組織が生まれ、共同研究の日本製鋼所室蘭製作所はMH材料を提供するという立場で協力することになった。来年度からは新しい組織の元により具体的な製品を目指した介助機器およびパワーアシスト機器の開発に向け、MHアクチュエータの改良研究を進める。
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