研究分担者 |
一色 浩 日立造船株式会社, 技術研究所, 主席研究員
木下 正生 日立造船株式会社, 技術研究所, 主任研究員
寺田 幸博 日立造船株式会社, 技術研究所, 主管研究員
柿本 英司 日立造船株式会社, 技術研究所, 研究員
|
研究概要 |
本研究の目的はRTK-GPSを用いた津波計測システムを開発し,これを津波災害の恐れのある地方自治体の津波防災システムと連携して、効果的な津波防災システムを構築することにある.ここで用いるRTK-GPSとは,GPSによる精密な相対位置決めの一種であり,位相計測における整数不確定性を,瞬時に決めることによりリアルタイムに受信点の位置決めを可能にする方法である.この方式により常時移動する物体の位置を正確に計測できることから,これを海洋に浮かべたブイに搭載することにより,海面(特に高さ)を常時監視することが可能になり,例えば津波を海岸到着の前に知ることが可能となる.このためのブイについては既に他の研究費により開発が進められてきたが,本研究では,さらに一歩進め,古来幾多の津波に襲われてきた三陸沿岸の大船渡市と共同して津波防災システムを構築することとしたものである.本年は研究の最初の年であることから,翌年度に実施する本格的な津波計測実験に先立ち各種の基礎調査を実施した.主な実施内容は以下の通りである.1)大船渡市と協議し,我々の開発しているGPS計測装置と大船渡市が導入を進めつつある水門自動開閉装置との連携方法を検討した.2)大型ブイを外洋に投入することから,漁業関係者等関係方面の理解と協力を得るための説明会を実施した.また,宮古の航路標識事務所や釜石の海上保安庁を訪問し,実験についての協力を要請した.3)海上伝送実験を行い,ブイと陸上基地局の設置場所を選定した.ブイは大船渡市長崎地区沖に陸上基地局は「担い手センター」に設置することとなった.4)選定したブイ設置予定場所付近の潮流を含む各種海況・気象データを収集し,ブイの設計のための基礎資料を得た.得られた資料を解析し,投入用ブイ並びに関連する計測システムの設計を行った.
|