研究課題
本研究は、電磁波シールド、撥水、防かび・抗菌などの機能を有する次世代型建材の開発を目的にしている。平成11年度においては、まず連携先の研究開発プロジェクトが得ている研究成果を相互に紹介、精査する場を設け、本研究推進に必要な事項及び課題などについて整理した。その結果、建材の主原料には計画段階で予定のバルーン化白土の他、非晶質アルミノ珪酸塩パーライト、及び両者をベースに木質系パーティクルを混合したものも使用することとした。また上記の3つの機能性は建材のみならず各種工業材料にも必要との観点から、これらの機能性皮膜の開発にも取り組むこととした。本年度の研究で得られた成果を要約すると次のようになる。(1)原材料に炭素繊維製のチョップ、紙、布を添加、挿入した試作ボードで最大減衰量60dBの電磁波シールド効果が得られた。(2)ボードの密度は1.04〜1.18g/cm^3と軽量であり、剥離強さは0.47〜1.8MPaと実用に十分耐え得るものである。(3)ボードに塩基性塩化銅粉末を0.5〜1.0%vol.添加することによって、かび抵抗性が著しく向上した。ただし、木質系パーティクルを混合したボードではかびの生育が認められた(試験用かび5種類による2週間のかび抵抗性試験)。(4)水に対する接触角145°の超撥水性フッ素化カーボンと塩基性塩化銅を金属皮膜中に固定した電磁波シールド、撥水、防かび・抗菌機能を有する複合皮膜の試作にほぼ成功した。
すべて その他
すべて 文献書誌 (1件)