研究課題/領域番号 |
11793002
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
大森 保 琉球大学, 理学部, 教授 (00045022)
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研究分担者 |
上原 剛 琉球大学, 理学部, 教授 (20045016)
棚原 朗 琉球大学, 機器分析センター, 助教授 (00217100)
山本 聡 琉球大学, 理学部, 教授 (50124855)
久木 幸治 琉球大学, 理学部, 講師 (60305183)
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キーワード | 海洋深層水 / 亜熱帯 / 栄養塩 / 二酸化炭素 / 有機スズ / ウニ / 発生阻害 |
研究概要 |
亜熱帯海洋深層水の理化学的特性と環境影響評価について、長崎丸(長崎大学)を利用して調査航海(2000年9月-10月)をおこない、以下の結果を得た。 1)海洋深層水の水塊構造の研究:CTDおよび係留系(流向・流速)による観測をおこない、水塊の流動解析をおこなった。北太平洋中層水が、高知や沖縄で開発中の「海洋深層水」取水深度(400-600m)に進入することがわかった。 2)海洋深層水の化学的研究:栄養塩類、炭酸系物質および有害物質(有機スズ化合物、プルトニウム)の鉛直分布の研究をおこなった。栄養塩類濃度は、亜熱帯域では、水深1000m以深で、ほぼ定常的な深層水の値を示す。水深600m付近での取水は、表層から深層の中間的な値を示す。炭酸系物質の研究では、深層で高い二酸化炭素濃度(1000ppm)を示し、深層水の汲み上げによる二酸化炭素の放出への寄与について検討した。また、海洋水中に含有される二酸化炭素の精密分析により、産業革命以降に海水に溶解し、保存された過剰の二酸化炭素の見積もりをおこなった。 3)有害物質として、有機スズ化合物を分析した。沿岸海水で高く、外洋表層で少し検出できた。しかし、中層水、深層水ではほとんど検出されず、人為的な汚染の影響が少ないことが示唆された。 3)生物効果としては、ウニの発生過程への影響について研究し、卵の保存効果と発生阻害効果があることが示唆された。現在追跡研究中である。
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