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2001 年度 実績報告書

省エネルギータイヤ用カップリング剤の新製造プロセス-燃費5%削減へ向けて-

研究課題

研究課題/領域番号 11793008
研究機関大阪府立大学

研究代表者

高田 十志和  大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (40179445)

研究分担者 山田 聿男  ダイソー株式会社, 総合開発部, 次長
木原 伸浩  大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (30214852)
キーワードナトリウム / 硫黄 / オリゴスルフィド / シランカップリング剤 / 低燃費タイヤ / モノスルフィド / カルシウムスルフィド / 硫黄連鎖長制御
研究概要

本研究は金属ナトリウムと単体硫黄との直接反応によってナトリウムオリゴスルフィドを得、それを利用してシランカップリング剤を安価に合成すること、それによって低燃費タイヤの製造コストを大幅に削減し、炭酸ガス排出量の削減に大きく寄与することを目的としている。本年度は本研究の最終年度を迎え、昨年度までに得た成果を基にして合成されたシランカップリング剤がカブラスの商標名で販売が開始され、好評を博している。本年度はさらに、ナトリウムと単体硫黄との直接反応によるモノスルフィドの高収率合成とオリゴスルフィド中の硫黄連鎖長の制御について検討した。
ナトリウム2原子当量と1原子当量の硫黄を無水ジメトキシエタン中で反応させ無水ナトリウムスルフィドを調製した。これにベンジルクロリドを加え室温で反応させたところ、75%の収率でベンジルスルフィドが得られた。ベンジルクロリドとの反応を還流条件下で行うと収率は向上し、さらに、ナトリウムを小過剰用いることによって収率87%(選択性99%)でモノスルフィドを得ることができた。
キレート効果によってオリゴスルフィド中の硫黄連鎖長の制御を行うために、金属元素としてナトリウムに代えて二価のカルシウムを使った。金属カルシウムは硫黄と直接反応しないが、カルシウムスルフィドに対して3原子当量の単体硫黄を加えてカルシウムオリゴスルフィドを得た。これをヨウ化メチルでアルキル化したところ、対応するナトリウムオリゴスルフィドを用いたときに比べて多少選択性が見られた。選択性が高くないのはアルキル化の際に不均化が起こるためではないかと考え、カルシウムオリゴスルフィドをヨウ化メチルに加えた(逆添加)。その結果、選択性の大幅な向上が見られた。さらに、カルシウムスルフィドと硫黄との比を検討することにより、選択性76%(収率11%)でメチルテトラスルフィドを得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] S.Matsumura, N.Kihara, T.Takata: "Synthesis of all aromatic poly(thioether-ketone)s,sulfur-containing high performance polymers with high solubility"High Perform.Polym.. 13. S293-S304 (2001)

  • [文献書誌] S.Matsumura, N.Kihara, T.Takata: "Synthesis and properties of novel Aromatic poly(thioether-ketone)s as Sulfur-Containing high-Performance Polymers"Macromolecules. 34(9). 2848-2853 (2001)

  • [文献書誌] N.Yamada, M.Furukawa, M.Nishi, T.Takata: "Direct Preparation of Anhydrous Sodium Oligosulfides from Metal Sodium and Elemental Sulfur in Aprotic Organic Media Directed toward Synthesis of Silane Coupling Agent"Chem.Lett.. (2001)

  • [文献書誌] 秋葉光雄, 林 茂吉, 松村 澄子, 高田十志和: "環状ポリスルフィド誘導体による天然ゴムの加硫"日本ゴム協会誌. 74(2). 202-204 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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