研究課題/領域番号 |
11793011
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
佐藤 敦 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (90073965)
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研究分担者 |
千葉 和夫 秋田県立大学, 短期大学部, 教授 (60073996)
佐藤 照男 秋田県立大学, 短期大学部, 教授 (50073979)
佐藤 了 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (00299778)
天羽 弘一 東北農業試験場, 水田利用部, 主任研究員
北原 克宣 秋田県立大学, 短期大学部, 講師 (00289745)
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キーワード | 限界閉鎖系水圏環境 / 環境保全型農法の高度化 / sustainable development / 環境修復の定量的評価 / 環境保全型農業指標 / 水田物質収支 / 汚濁負荷軽減 / 有機酸除去 |
研究概要 |
近年、急速な経済発展が地球的規模で環境問題を顕在化させ、改めて自然環境を維持できる開発(sustainable development)のあり方が問われている。本研究は、限界的な閉鎖系水圏環境の中に置かれた近代日本最大の干拓事業によって誕生した八郎潟干拓地を対象に、環境保全型(sustainable)農法の高度開発と普及によって八郎湖潟残存湖の水質悪化等を回避しつつ、高度の生産性を達成できることを、地域プロジェクト等と協力することによって理論的実証的に解明することを目的とする。平成12年度までには次のような研究結果が得られた。 第1の系「限界閉鎖系水圏環境の物質循環メカニズムと水の循環・利用・汚濁機構の解明」では、(1)干拓地におけるリン酸賦存資源のボーリング調査を新たに実施して埋蔵・湧出量推計の精度を向上させた、(2)干拓地農業の水田単位の流出負荷と水環境への影響を計測し、水質浄化型水管理の可能性を検討した。 第2の系「環境保全型農法の高度化と測定評価」では、(1)干拓地の重粘土壌における水稲、麦、大豆の不耕起栽培や無代かき栽培といった最小耕起・少投入農法による水田物質収支評価が可能なデータが得られた、(2)水田の底生動物群集には農法の違いによる大きな差異があり、環境保全型農法の生物多様性向上への貢献が明らかになった、(3)生物活性水(BMW)により家畜体内有機酸の軽減とコンポストの悪臭防止技術への貢献が顕著である、(4)不耕起栽培等の経営的評価のための基礎データが得られた。 第3の系「住民参加型手法による環境保全型農法普及の社会的諸契機と条件解明」では、(1)環境保全型農法の普及定着に向けた社会的諸契機の変化を検討した、(2)環境保全型農業指標の策定に向けた基本原理と構成要素を摘出して、当該地域において住民参加型で進められている環境創造型農業宣言運動の過程を参与観察した。
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