研究分担者 |
上島 脩志 神戸大学, 農学部, 教授 (30031222)
宅見 薫雄 神戸大学, 農学部, 助手 (50249166)
森 直樹 神戸大学, 農学部, 助教授 (60230075)
朝倉 史明 神奈川大学, 工学部, 講師 (80301589)
吉田 晋弥 兵庫農業技術センター, 生物工学, 主任研究員
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研究概要 |
1.分子マーカーによる酒米遺伝資源のカタログ化:一般食用米を含む253品種を収集し、その生育特性と玄米品質に関する特性を調査しデータベース化した。AFLP, SSRに基づき酒米170品種をカタグ化し、系統樹を作成して酒米が単源的に起源したことを明らかにした(Theor. Appl. Genet.投稿中)。 2.心白その他酒米形質発現の遺伝解析とQTLマッピング:山田錦とレイホウの自殖近交系集団を用いて遺伝解析を行い、心白発現を抑制する不完全優性遺伝子を少なくとも5個推定した(育種学研究、投稿予定)。山田錦xレイホウのF_1葯培養から得たDHLsを材料に、心白その他酒米形質を多面的に支配するQTLsをRAPD, AFLP, SSRマーカーを用いて同定しマップした(Breed. Sci.投稿予定)。北陸142x兵庫北錦由来のF_2,F_3集団を用いて、酒米品種の低温耐性と酒米形質を含む種々の形質についてQTL解析を行い、有為なQTLsを同定し、マップした(Cereal Res. Commun.28(2000):33-40,Breed. Sci.投稿予定)。 3.新規Tosメンバーの単離と突然変異系統の選抜:TosのPol領域にある逆転写酵素遺伝子からプライマーを設計し、兵庫夢錦の培養細胞から得たmRNAを対象にPT-PCRを行い50クローンを得て塩基配列を決定し、5種の新規Tosメンバーを得た。γ線照射を行った山田錦幼穂を用いた葯培養を行い、短稈化変異系統と葉色および粒重に関する変異系統を得た。 4.イネのトウモロコシMuトランスポゾンオーソログOsMuの単離と構造・発現解析:イネOsMuDR部分cDNA配列をプローブとして、日本晴れのゲノムライブラリーから12の相同クローンを得て、4.7kbpのOsMu4-1と1.1kbpのOsMu10-1を解析した。両者は198bpのTIRと9bpのTDSを持つイネのMuオーソログであること、OsMu4-1は転写されるが逆転写酵素遺伝子内部に停止コドンを持つ偽遺伝子であること、OsMu10-1はOsMuの転移後修飾で生じた配列であることを示唆した。野生種を含むイネゲノムのサザン解析とデータベース解析から、OsMuがイネゲノム内に広く分布することを明らかにした(Mol Genet. Genomics,投稿中)。
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