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1999 年度 実績報告書

DNAマーカーを用いた広島湾における魚介類種苗の放流効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11794009
研究機関広島大学

研究代表者

中川 平介  広島大学, 生物生産学部, 教授 (00034471)

研究分担者 荒井 克俊  北海道大学, 水産学部, 教授 (00137902)
キーワード魚介類 / 放流 / 遺伝マーカー / マイクロサテライト / クロダイ
研究概要

クロダイは瀬戸内海を代表する放流有用魚種で、放流種苗の遺伝的多様性の低下および天然集団への遺伝的影響が懸念されている。そこで本年度はクロダイより高感度DNAマーカーであるマイクロサテライト(MS)DNAを単離した後、その遺伝様式を交配群の分析から確認した。さらにクロダイ天然集団と人口種苗の遺伝的変異性の比較を試みた。
【方法】クローニングにより得られた(CA)n、(GT)n陽性クローンの配列を決定し、クロダイの9種類のMSを単離した後、MS領域近傍にプライマーを設計した。人工交配により作出した雌雄1対1交配群27尾のMS領域をPCR法により増幅後、15%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、遺伝子型がメンデルの遺伝様式に従っているか否か確認した。また、単離されたMSのうち6遺伝子座について、放流が行われている海域である広島市似島大黄湾で捕獲した天然集団、放流の影響が少ないとされる韓国麗水湾で捕獲した天然集団、および放流用人口種苗集団各50尾を同様に電気泳動し、各集団の対立遺伝子頻度、平均へテロ接合体率観察値(Ho)、期待値(He)等を求めた。
【結果】雌雄一対一交配群を用いてメンデル遺伝の確認を行った結果、9遺伝子座のうち8遺伝子座はメンデルの遺伝様式に従っていた。6遺伝子座について人口種苗集団および広島天然集団の多型性を調査した結果、全ての遺伝子座において変異が確認され、有効なマーカーになりうることが示唆された。また、平均対立遺伝子数は、人口種苗、似島産天然集団、韓国麗水産天然集団でそれぞれ10.3、12.2、11.0であり、Heはそれぞれ0.776、0.793、0.776であった。Ho/Heは人口種苗は天然集団と比べてわずかに低い傾向を示した。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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