研究課題/領域番号 |
11794015
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研究種目 |
地域連携推進研究費
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
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研究分担者 |
岩田 太 静岡大学, 工学部, 助手 (30262794)
川田 善正 静岡大学, 工学部, 助教授 (70221900)
櫻井 孝司 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助手 (50283362)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 一分子蛍光 / カルシウム反応 / エバネッセンス顕微鏡 / 超高開口数レンズ / 全反射照明 / 神経細胞死 / 一分子DNA観察 / 近接場顕微鏡 |
研究概要 |
静岡大学工学部・浜松ホトニクス社と連携し、極限的な感度と高速性を兼ね備えたマルチアノド・フォトマルによる8x8高速カメラを開発した。また、高速撮像のできるCCDカメラを新開発した。これによって、蛍光色素の一分子像を観察した。開口数1.65のレンズによりロダミンをエバネッセント波照明して分子像を捉えた。量子的な退色が5ミリ秒の時間分解能で明確に観察できた。Rhod-2分子についても、同様な反応が捉えられた。この一分子像でのCa濃度依存性が示された。このことは、一分子プローブによって微小環境のモニターをするという新しいコンセプトの分野が拓かれたことになる。実際に、Rhod-2を負荷した培養海馬神経細胞の細胞膜ガラス付着面の蛍光を、エバネッセンス照明下に、同カメラで捉え、フレームレート5ミリ秒の撮影に成功した。Rhod-2の濃度を通常使用の1/100にしたところ、いくつかの点状の蛍光変化パターンが得られ、信号/静止レベルの比が著しく大きいものが見られた。これは、単一のRhod-2の反応と思われ、単一のCaチャネルの反応である可能性も高い。また、既存のカメラによる細胞反応の解析も平行して行った。蛍光蛋白(GFP)をダイナミンに融合させて培養細胞に発現させ、これをエバネッセンス照明下に観察して、細胞膜の呑込み反応の動態を捉えることに成功した。ダイナミンは細胞の活性化に伴い、細胞膜に移行し、細胞膜上で大きく動き回ることにより細胞膜の陥没部分を回収することが分かった。「ダイナミンの清掃モデル」という仮説を立て、論文発表した。回折限界を超えることを目指して、特殊感光性樹脂をフィルムのように使用し、その上に細胞を培養して、レーザー光を照射して、細胞の形態を樹脂上に影として固定するという、新しいイメージングの手法も開発した。細胞内の微小な分泌顆粒の形が判別できる画像が撮れることが分かった。
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