研究課題/領域番号 |
11794016
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西 勝英 熊本大学, 医学部, 教授 (00040220)
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研究分担者 |
宇野 公之 熊本大学, 薬学部, 教授 (00183020)
小田切 優樹 熊本大学, 薬学部, 教授 (80120145)
前田 浩 熊本大学, 医学部, 教授 (90004613)
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キーワード | 人口酸素運搬体 / ポリオキシエチレン・重合ヘモグロビン(PHP) / αー1酸性糖タンパク / 血流阻害抑制作用 / ミオグロビン変異体 / シトクロムb562変異体 / 組換え型HSA / 血漿由来HSA |
研究概要 |
西らは、ポリオキシエチレンーピリドキサール重合ヘモグロビン(PHP)の消化管に対する作用について検討した。その結果、少量のPHPでも消化管蠕動運動を抑制することが判明した。この作用は、ヘモグロビン分子との一酸化窒素との結合により、および一部は、PHP分子とCaイオンとの結合により細胞内Caイオンの減少によることが判明した。 前田らは、αー1酸性糖タンパクの作用につき、赤血球凝集塊をもちいた血栓形成モデルでの薬効効果について検討した。高コレステロールマウスに赤血球凝集を静脈内投与すると、マウスの累積死亡率が100%であったが、ヒトαー1酸性糖タンパク10mg/kg投与で大幅な死亡率(30%)改善作用をみとめた。 宇野らは、大腸菌を用いた大量発現系を構築し、酸素結合性を有するミオグロビン変異体、及びシトクロムb562変異体試料を調製し、活性部位構造について調べた。その結果、ミオグロビン92位の側鎖体積が大きい程、外来性配位子が強く結合することがわかった。また、シトクロムb562の三重変異体ではきわめて安定な酸素錯体が形成されることを明らかにした。 小田切らは、HSAcDNAを挿入した発現ベクターでP.pastoris(GS115株)を形質転換し、培養後、培地上清から精製を行った。SDS-PAGEの結果より、組換え型HSAは血漿由来HSAと同一の分子量で単一バンドを示した。また、精製したHSAの構造特性について検討した。その結果、二次構造、三次構造及び抗体の認識性に血漿由来HSAと有意な差は観察されなかった。化学的安定性、熱安定性、薬物輸送性及びエステラーゼ活性についても血漿由来HSAと有意な差は観察されなかった。
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