研究課題/領域番号 |
11794021
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研究種目 |
地域連携推進研究費
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松村 明 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (90241819)
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研究分担者 |
大塚 藤男 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (10092157)
高野 晋吾 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50292553)
能勢 忠男 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (10009699)
大原 潔 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (10034125)
藤澤 裕志 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20231566)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 中性子捕捉療法 / 粒子線治療 / アルファ線 / 悪性グリオーマ / 神経膠芽腫 / ホウ素 / 放射線治療 / 術中照射 |
研究概要 |
【基礎研究:物理側】 熱外中性子の臨床応用に先立ち、ファントム、細胞照射による放射線生物学的特性の検討を行い、この結果を開発中の中性子捕捉療法用の治療計画システム(原子力研究所のJAERI Computational Dosimetry System)と合わせて検証を行った。また、臨床例のretrospective analysisおよびprospectiveな治療計画作成まで研究を発展させた。 【基礎研究:物理側】 腫瘍学の立場から新規ホウ素化合物の開発、細胞周期と取り込みの関係、細胞取り込みのメカニズムの研究を行い、臨床プロトコールのための基礎的データが得られた。すなわち、細胞周期依存性、非依存性の化合物の組み合わせによるプロトコールの可能性が考えられる。 【臨床研究】 対象と方法:対象は1999年10月より現在までJRR-4号炉にて熱モードIを用いて術中BNCTを行ったAnaplastic astrocytoma(AA)3、Glioblastoma(GBM)4の計9例で、いずれも初発例だった.年齢は20-66才、男性3、女性6である.腫瘍摘出術の際にBSHのdistribution studyを行った後、原則として4週以内にBNCTを施行した. 結果と考察:BNCT後Follow up期間は平均16.8months(5.8-25.4months)で、生存期間のmedian値はGBMで15.4months、AAでの生存期間のmedian値は16monthsであり、phaseI/IIとしては良好な成績と考えられる. 【考察と結論】 新しいビームを用いた中性子捕捉療法は腫瘍の完全消失を含め、きわめて強力な1次効果を得ることができた。また、原子力研究所との協力研究によりこれまでの術中照射に比べて正確な照射および線量評価ができるようになってきた。これまでの研究により、今後さらに多くの症例を重ねることにより長期成績の改善が期待される。
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