研究分担者 |
原口 尚久 長崎市福祉保健部, 地域保健推進課, 研究員
高木 興氏 長崎大学, 歯学部, 教授 (80005090)
飯島 洋一 長崎大学, 歯学部, 助教授 (70094860)
田口 知義 長崎市歯科医師会, 地域歯科保健, 研究員
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研究概要 |
対象および方法:H11年度に長崎市の1歳6か月健診を受診した3,708名を対象に予防管理システムへの参加・不参加を目的変数とし,1歳6か月健診時に実施した歯科保健質問表の25項目を説明変数にして多重ロジスティック回帰分析を用いて参加にかかわる要因分析を行った。う蝕リスクの予測能評価については,H12年8月末現在で予防管理を10〜12か月以上継続実施した623名を対象として,1歳6か月健診受診から10〜12か月経過期間における増加df数を分析した。歯科保健質問票に基づくう蝕リスクのコード化の方法は回答項目を点数化し,個人の合計点によって0〜2のコードを割り振り,COを有する者にはコード3を割り振った。う蝕リスクの予測能は各リスク評価法のコード別(0〜3)に平均増加df数を算出して評価した。結果:う蝕予防管理システムへの参加率は53.5%であった。要因分析の結果,不参加群は参加群と比較して統計学的に有意に,(1)昼間の養育者が母親である割合が低く保育所にあずけている割合が高い。(2)dfが2倍高い。(3)出生順位が第2・第3子の割合が高い。(4)母親が毎日仕上げ磨きをしている割合が低い。(5)噛乳瓶の使用率が高い。(6)甘味飲料が多い。(7)甘い間食が少ない。(8)歯科医院受診経験の割合が低い。という特徴が認められた。歯科保健質問票とCOの有無に基づくリスク評価の0,1,2,3コード別の平均増加df数はそれぞれ,0,0.15,0.54,2.04であり,有意な相関が認められた(p<0.001)が,カリオスタットによるリスク評価のコード別平均増加df数は0:0.42,1:0.53,2:0.67,3:-0.62であり,コードと平均増加df数間に有意な相関は認められなかった。
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