研究分担者 |
原口 尚久 長崎市, 福祉保健部, 研究員
新庄 文明 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30154389)
飯島 洋一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70094860)
田口 知義 長崎市歯科医師会, 地域歯科保健, 研究員
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研究概要 |
平成11年度の長崎市1歳6か月児健康診査受診者3,686名を対象に、希望者全員に対して無料で2年間の定期的う蝕予防管理を長崎市内の45の協力歯科医院で実施し、2年後の3歳児健康診査(長崎市では3歳6か月で実施)結果から、う蝕予防効果、費用効果分析を行った。予防管理システムへの参加率は64.5%であった。3歳児う蝕有病者率は、参加群:25.5%、不参加群:42.4%であった。3歳児う蝕有病者率は、予防管理継続期間の長短による差が認められた(6ヶ月未満:39.8%、6〜12ヶ月:30.0%、12〜18ヶ月:29.3%、18ヶ月以上:20.3%)。3歳児のう蝕の有無を目的変数とし、1歳6か月児健康診査時の歯科保健アンケート項目(13項目)を説明変数とした多重ロジスティック回帰分析を実施した。その結果、「昼間の養育者が祖父母」「寝ながら母乳」「寝ながら哺乳瓶」「甘味飲料」「夕食2時間以内の菓子」「上の子にう蝕がある」「予防のための歯科医院への受診無」の7項目が3歳児健康診査時点でのう蝕の有無に有意に関連していた。保険点数に換算して計算した平成11年度〜平成13年度の予防管理費用は約3,616万円であった。介入年度と対照年度間での費用-効果分析の結果、長崎市3歳児3,300人中のう蝕の無い者を1名増やすために、3年度で158,091円の費用がかかった。また長崎市3歳児3,300人中のdmfを1本減少させるために、3年度で19,974円の費用がかかった。予防管理参加群と不参加群の比較分析では、う蝕有病者率を16.9%減少させ、dmft-indexを0.88本減少させるために2年間で一人当り10,847円かかった。
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