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1999 年度 実績報告書

病態画像化プローブの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 11794026
研究機関東京大学

研究代表者

長野 哲雄  東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (20111552)

研究分担者 島田 典招  第一化学薬品, 素材技術研究所, 所長
平田 恭信  東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70167609)
キーワードプローブ / 画像化 / MRI / 一酸化窒素
研究概要

本研究は各種生理活性物質を画像化する新規MRI画像化プローブの開発を目的として行われているものである。近年、病態診断におけるMRIの重要性が高まってきているが、MRIは原理的に核磁気共鳴や電子スピン共鳴を利用した断層撮影法である。現在、臨床診断に利用されているMRI装置は体内の水や脂肪その他の成分に含まれている水素原子核に対するNMR現象を利用したもので、その画像は主に体内の水と脂肪の分布をあらわしている。その精度は機器の進歩とともに益々確かなものとなっている。しかしながら、一方では、生理活性物質であるCa^<2+>、NOなどをMRlを用いて画像化できるようになれば、病態の診断あるいは病変部の特定に格段の進歩をもたらすことは疑いない。
現在までに本研究グループにより開発された生細胞プローブとしてNO蛍光プローブDAF、活性酸素蛍光プローブDPAXがある。これらのプローブは動脈硬化症の患者の血液中からNOや脂質過酸化物などの活性酸素の検出に有用であると考えられる。動脈硬化症の患者は血管内皮細胞に障害を受けており、血管内皮に存在するNO合成酵素がダメージを受けていることから、NOの産生は大きく減少していることが予想される。しかし一方では誘導型NO合成酵素は障害を受けると大量に生成することも報告されており、その場合には逆にNOの産生は桁違いに増加している結果になるであろう。いずれにしても血液中のNO量と動脈硬化症の症状の程度との間に相関の可能性がある。また、ラジカル的障害が動脈硬化症で生じていることも報告されており、その場合には活性酸素蛍光プローブが有力な分析手段となる。
本年度はこれらのプローブをMRI画像化プローブに適合させた新規化合物の設計と合成を行い、その結果NO感受性キレーターが合成できた。次年度はこのGd錯体を創製し、MRIプローブとしての評価を行うとともに、更に化合物のデザインを行う予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Takanari Inoue: "Synthesis and Evaluations of 1-position-modified Inositol 1,4,5-Triphosphate Analogs"Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 9. 1697-1702 (1999)

  • [文献書誌] Naoki Umezawa: "Novel Fluorescent Probe for Singlet Oxygen"Angewandte Chemie Int. Ed.. 38. 2899-2901 (1999)

  • [文献書誌] Hirotatsu Kojima: "Fluorescent Indicators for Imaging Nitric Oxide Production"Angewandte Chemie Int. Ed.. 38. 3209-3212 (1999)

  • [文献書誌] Noriyuki Suzuki: "Novel Iron Porphyrin-alkanethiolate Complex with Intramolecular NH … S Hydrogen Bond : Synthesis, Spectroscopy and Reactivity"J. Am. Chem. Soc.,. 121. 11571-11572 (1999)

  • [文献書誌] Hirotatsu Kojima: "Fluorescent Indicators for Nitric Oxide Based on Rhodamine Chromophore"Tetrahedron Letters. 41. 69-72 (2000)

  • [文献書誌] Tetsuo Nagano: "Practical Methods of Detection of Nitric Oxide"Luminescence. 14. 283-290 (1999)

  • [文献書誌] 小島宏建: "実験医学"羊土社 (分担執筆). 946-950 (1999)

  • [文献書誌] 長野哲雄: "現代化学"東京化学同人(分担執筆). 23-30 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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