研究概要 |
1.研究の進行状況 平成11年9月17日の本研究補助金交付決定通知をうけて,研究遂行について連携施設との打合わせの後,同年11月22日に第1回全体会議を開催した.会議には16名の研究代表者・分担者に加え,計27名の医療関係者(手術担当医10名,臨床検査技師16名,和歌山県医師余情報システム担当理事1名)に研究協力者として出席を依頼し,(1)遠隔病理診断を実施中の3施設におけるこれまでの実施状況の報告(2)新規3施設における実用化に関する具体的打合わせ(3)研突計画の確認,を議題とした.そして,本研究は医療に直接関連するものであること,遠隔病理診断に適応のある患者からは各施設共通の様式でインフォームドコンセントを得ること,病理標本の作製と画像送信を担当する新規3施設の検査技師の研修は十分に行うこと,研究の評価方法の1つとして患者あたりの手術回数の減少が見込まれること,既存のプロジェクトとの連携により情報を公開してゆくこと,などを確認した. 標本作製の研修を,平成11年12月16日から平成12年3月2日にかけて7名(検査技師6名,医師1名)を対象に延べ17日間実施した.その後,画像伝送に関わる機器の試験運用を兼ねた遠隔病理診断に至る一連の演習を実施し,実際の診断を支障なく行えることを確認した. 2.遠隔病理診断の実施状況 遠隔病理診断を実施中の3施設において本年度に診断された症例は,平成12年2月29日現在41例であった.画像伝送による診断とそれに使用した標本の直接検鏡による診断との不一致が3症例みられたが,それにより手術方法の選択には影響しなかった.従って,遠隔病理診断が日常検査として実用可能であることが明らかとなった.
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